2006/05/07 (Sun) 【藤崎】 目撃談

藤崎です。

昨日の試合はとってもひどい試合でした。
私もＰＫ与えちゃって、昨日の晩は公人にものすごく怒られました。

今日は反省会ということで、全員参加のミーティングあるのでクラブハウスに来ました。
それで監督室の前を通り過ぎようとしたら、中でなにやら話が聞こえてきたので、扉に耳をつけて聞きました。

中にいるのはどうやら監督と光ちゃんに望ちゃん。それに奈津江ちゃんでした。

一番最初に聞こえてきたのが、



「監督！私をレギュラーから外してください！」



という奈津江ちゃんの涙混じりの声でした。









（言うと思った）

それが私の感想です。
奈津江ちゃんって、自分に非常に厳しいのはチームでも知られていること。
それが一発レッドを食らって、それがきっかけの大敗。

バスのテレビで試合を見た奈津江ちゃんは相当のショックを受けたのだと思います。
普通の奈津江ちゃんは、失踪みたいなことはしない人です。

たぶん、昨日の晩はひとりでずっと悩んでたと思います。
芹沢くんにも言わずにひとりで寝ずに。
（後で聞いたんだけど、昨日の奈津江ちゃんは実家に戻って自分の部屋に引きこもっていたようです）

そんな奈津江ちゃんなら言いかねないことだと思います。



もちろん監督は否定しました。
そこからは監督と奈津江ちゃんの言い合いです。

「なに言ってるんだよ。昨日の試合だけで信頼をなくしたと思ってるの？」
「だって、私が退場になってから、守備はボロボロ、攻撃陣にボールが来ない……全部私のせいじゃないですか！」

「そんな事はない」
「じゃあ誰のせいですか！」


「先制点はアンラッキーだった…しかし残りの３点は全部俺のせいだ」
「なんで監督なんですか！」


「ひとり減った後は攻められはしていたが、ちゃんと守れていた。
　守りの人数をひとり増やす手段はあったが、開始直後だから、十分に挽回のチャンスはある。
　そう思って、そのまま行ったんだ。
　問題は先制点の後だ。
　みんな動きが急に悪くなっていた。守備はもっと悪くなっていた。
　ここで守備をひとり入れて体勢を立て直すべきだったんだ。
　それに気づかなかったのは俺の責任だ。
　たしかに、ひとり減ったことで、みんなに負担は掛けている。
　それでも監督の俺がちゃんとやれば、試合の形にはなったはずなんだ。
　それができなかったのは、鞠川さんの責任ではない。俺の責任だ」


「………」


「だから、鞠川さんをレギュラーから外すつもりはまったくない。
　外れたければ、みんなを説得してからにしてくれ。
　だれからも信頼を失ってないことがわかるから」


「………」


「どうせ次の試合は出られないから、練習はサブ組でやってもらうけどね。
　ここでもう一度気持ちを切り替えて、その次の試合からがんばろう、な？」


「はい……わかりました……」


奈津江ちゃんは渋々納得したようです。

部屋から出てきた奈津江ちゃんは、相当にやつれてました。
精神的にものすごくショックだったようです。
だから、今日の練習が終わったら奈津江ちゃんを励まそうと思います。
（だって、１失点は私の責任だから……）



そうそう、あの場になんで光ちゃんと望ちゃんがいたのか気になってたんだけど、
さっき望ちゃんから聞いたら、あの試合で監督も相当ショックをうけたみたい。

奈津江ちゃん同様に全失点の責任を感じちゃって、落ち込んでたのを２人で慰めていたところに奈津江ちゃんが飛び込んできたのが真相らしい。


次の試合。
このチームにとって早くも正念場になりそうです。


Ｐ．Ｓ．
あっ～！
私はこんなお堅い文章なんて書きたくないわよ！
書きながら鳥肌が立っちゃったわよ。
私だって、ＰＫ与えたことで昨日の晩は公人から「お・あ・ず・け」を食らってイライラしてるんだから！
次は絶対にはじけた文章を書くわよ！
【藤崎　詩織】