2008/06/29 (Sun) 【鞠川】 むなしい

鞠川です……

勝ちました。

３連続完封勝ち。

でもちっともうれしくありません。
あるのはむなしさだけ……


勝っても優勝にはほとんど関係ない消化試合で３連勝……
こんなにむなしいのは初めてです。









今日は大雨なのに、なぜかスタジアムだけ晴れという異常気象のなかで、レイさんが開始５分で先制点。


試合前、監督から言われました。
「……やるべきことはやろう。
　スタジアムのサポーターがまだ諦めてないんだろ？
　自分たちがやれることだけやろう。
　でもまずは勝つこと。それだけは最低限やろう」

監督も相当辛そうです。
そのあと、つい本音が口にでていました。
「俺だって、こんな優勝争い情けなくてやってられないよ。
　今日だって試合したくないよ。
　……みんなもそうだろ？
　でも次につなげる試合をしなくちゃいけないんだよ。
　どんな試合でも全力でやることが、その後の大事なときに繋がる。
　だから、全力をだそう」

監督が私たちと同じ事だと知ってほっとしました。
ほんと、優勝が絶望的になっても切れずに２連勝したんだから、せめて３連勝でおわりたい。そんな気持ちになってきました。



そんなところでいきなりの先制点。
グラウンドのみんなが「できるだけのことはやろう」って気が沸いてきました。
優勝争いとは関係なく、出すものは出し切ろう、という気持ちがみんなからでているようでした。


そこから攻める攻める。
シュートも打つだけ打って、ゴールも決めて。
３－０という予想以上の圧勝で喜んだものの……



待っていたのはむなしい現実。
ＷＢＬ－ＳＳＳは０－１だけど、楽々逃げ切っての優勝。



結局私たちががんばったのは消化試合。
勝った喜びは一瞬で吹っ飛びました。
スタジアムのサポーターに挨拶するとすぐに控え室に。

だれも口を開きません。
黙々と着替え、黙々と荷物の整理。
勝ったチームとはとても思えません。

そして帰る準備が出来たところで監督が入ってきた。

そこでミーティング。
とはいっても監督のコメントだけ。

「むなしいよな？
　俺はすごくむなしい。
　悔しいだけじゃないんだよ。むなしいんだよ。

　３連勝して嬉しくないなんて初めてだよ。
　
　……もうこんなことやめよう。

　俺は勝ったら素直に喜びたい。
　そのためには一つ一つが大事なんだよ。
　勝ち点０よりも１、１よりも３
　それが最後まで喜べる試合ができる方法なんだよ。

　次はちゃんとした優勝争いができるようにしよう、な？」


みんな黙って聞いていた。
表情をみると、みんな監督と同じ気持ち。
私もそう。

このままじゃ終われない。つぎこそ絶対に……


今日はクラブハウスに戻って残念会です。
たぶん、やけ酒になると思いますが……

【鞠川　奈津江】