2006/12/08 (Fri) 【九段下】 【代表合宿Ｂ２ ９】すごいわねぇ

舞佳さんよん。

いやぁ、意外な展開だったわねぇ。

清水さんがあんなにがんばっちゃうなんて。
お酒のパワーかしらん？
いいや、やっぱりライバルがいると燃えるのかしらねぇ？









この前と同じ展開。
今回は最初の攻撃が見事に決まった。
絶好のチャンスを確実に決めてくれた。

これでこっちは完全に余裕ができた。

向こうも焦ったのかもしれないわね。



もう清水さんが止められない状態。
前半も半分のところで２点目。

主軸が乗り出すとチームの雰囲気がよくなるわねぇ。

ふつうはこれで決まりだけど、相手はＡ代表。
主人くんから「気を抜くな！」の指示。

ピッチのみんなもまだ気を引き締めていた。
相手の実力はこっちもよくわかってるからね。



でも、前半終了間際に３点目。
さすがの相手もがっくりしていた。
終了直前の失点って堪えるのよねぇ。

さすがに向こうも目が覚めたのか、後半は徐々に押してきた。

でも、こっちは心理的に有利だから、ある程度のピンチでも冷静に対応できる。

それに、後半始まってすぐに失点したから、気が引き締まったのもあるわね。



予想外の大差にみんな喜んでいる、というよりは驚いているという感じ。
う～ん、向こうの実力はこんなんじゃないと思ったけど……



そうそう、試合終了直前にベンチをみたらBucchii監督がとぉ～っても不機嫌だった。
主人くんも笑顔だったけど、Bucchiiさんとちょっと会話したら、すこし引き締まった顔になってた。

なんでかしらん？
あとで直接聞いてみようかしら。



さて、主人くんのインタビューね。


－快勝でしたね。
「ええ、まさかこんな展開になるとは……
　先制点の勢いを最後まで保ってくれたからだと思います」

－今回も「キング」は置きませんでした。
「まあ、このチームはキングは作れません。
　みんなで勝つチームですから」

－清水さんが絶好調でしたね。
「彼女はこの試合に賭けてましたからね。
　その心意気を買ってキャプテンを任せたのですが、
　それがチームが盛り上がった一因ですかね」

－守備もよく守りましたね。
「後半の１失点が余計でしたけどね。
　でも、あれで気が引き締まったのではないですか？」

－さて、向こうの藤崎さんとは初対戦になったわけですが。
「そうですね……やはり手強いって感じですね」

－どこがですか？
「う～ん、まだ１試合残ってますので、詳しくはいえませんけど…
　やはり周りとはレベルが違ってましたね」

－さて、このまま３連勝といきますか？
「難しいでしょうねぇ。
　こんどこそ向こうは死にものぐるいで来るでしょうから。
　いや、来なければおかしいですよ。
　１００％の力と、１２０％以上の気迫で来られたら、
　さすがにこっちは苦しいでしょうね。
　でも、こっちはそう簡単に勝たせませんから」

－最後も主人さんですか？
「いや、Bucchiiさんが行う予定です」

－そういえば、試合が終わったら、Bucchiiさん、さっさと立ち去りましたね。なにかありました？
「う～ん、いろいろあるみたいですよ？
　これ以上は企業秘密なので……」



喜びながらも、気を引き締めないと、って感じかしらね。




そうそう！
ここからマスコミがびっくりしてたわよ。

記者会見が終わったら、主人くんを井上さんが待ってたの。

そうしたら二人ともにっこり笑って、腕組みして歩いていったのよ！
「今夜は楽しもうね？」「はい♪」なんて会話交わして。

記者の人は突然で予想外の出来事に呆然。
我に返って、その場にいるあたしと華澄に聞いてきたわ。


も・ち・ろ・ん、『正直に』答えてあげたわ。


－あ、あれは、確か井上さんですよね。ＷＢＬの……
華澄「ええそうよ。それが？」

－だ、だって主人さんはたしか……
舞佳「そのとおりよん。でも、あの二人についてはよくわからないわ」

－が、合宿でなにか……
華澄「確か昨日の夜、涼子ちゃん、一人で主人くんの部屋に入っていったわ」
舞佳「あっ、そうそう時間にして１時間半ぐらいかしら？」


ざわっ、ざわっ……


－な、なにがあったのですか？
華澄「そんなのわからないわよ。でも部屋に入る前は不安そうな顔の涼子ちゃんが、部屋からでてきたときはすっきりした顔してたわよ」
舞佳「そういえば、最近主人君『溜まってるなぁ……』ってぼやいていたっけ？」


ざわっ、ざわざわっ……



もうそれ以上は会見にならなかったわ。
あたしたちも急いでバスに乗ってホテルに帰っちゃったから、
記者たちはそれ以上の情報はなし。



さてさて、今晩は主人くんのおごりで宴会だぁ！
でも、ちょっと大変そうだからあたしと舞佳で援助しちゃうわよん♪
【九段下　舞佳】