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これはTMFA主催のTMリーグに加盟している、架空の女子サッカークラブチーム「響野エンジェルス」のメンバーが書いたブログ……という設定のブログです。
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麻生です。

今日はずっとベンチ。
でもみていて安心する試合だった。

時間が経つにつれて、気合いがはいるチームメイト。
それと反比例するようにだんだんと不機嫌になるBucchiiさん。

どうしたのかしら?









今はホテルで祝勝会。
「最後の試合が一番大事だけど、今晩は今日の試合を喜ぼう。
 明日からはそれを忘れて練習だ」

そんな公二くんの言葉で宴会が始まった。

今回は約束通り公二くんのおごり。
でも、お金が苦しそうだったから、私と舞佳で援助してあげた。


みんな、大喜び。
特に今日のヒーローの清水さんは大はしゃぎ。
このまえのヒーローの鈴音ちゃんを捕まえて、
「あたしゅぃとすじゅねがいれば、ちゅぎもきゃてるわよぉ~!」ってろれつが回らない口調で叫んでた。


そんなみんなをみながら、私と舞佳は隅で公二くんと飲んでいた。
そこで、Bucchiiさんの不機嫌の理由を聞いてみた。

「結局、あの試合で『キングダムサッカー』に勝ったわけではないと……」
「そういうこと。
 逆に藤崎さんの『キング』としての適正と
 A代表には『キングダムサッカー』が一番だ、ということを
 完全に証明してしまったんだ。
 Bucchiiさんとしては、おもしろくないはずだよ」

そうだよね。
たしか、完全否定はしてないけど、このチームには合わない、ってずっと言ってたわよね。

「僕にはなんであそこまで不機嫌になるかわからないけどね。
 でも、あの『キング』の位置にいたBucchiiさんだからこそ感じることがあるんだと思うよ」

「ふ~ん、でもそれだけなの?」

「あとは『最後まで諦めない』ということを普通にやってのけたこと。
 これって当たり前だといつも僕なんか言ってるけど、難しいんだよ。
 ましてや、代表なんて注目度もプレッシャーも責任も大きい場ではね。

 それを特に力まずに特別な気持ちを入れるわけでもなく、普通の試合と同じようにそれをやってのけた。
 Bucchiiさんはそれが気にくわなかったみたいだね。

 どうも、Bucchiiさんはピッチ上で藤崎さんの心を折らないと満足できなくなってきたみたいだ」


そこまでする?

心を折るって相当だとおもうけど……


「そのぐらいをしないと、アントニオ監督に一泡ふかせられないってことなのかもしれない。
 チームはあんまりだけど、藤崎さんだけに限って言えば文句ないからね。
 得点もあげたし、チャンスは作りつづけていたし。

 今のままでは、チームが合流しても藤崎さんが中心だし、彼女が『キング』になると思う。
 どう考えても、それが最良の選択肢だからね。

 それではBucchiiさんが、代表選考時にアントニオ監督に刃向かった意味がないよ。
 『キングダムサッカー』に負けないものがあることを証明するためには、『キング』を倒すしかないんだよ。

 まあ、これはあくまで僕の想像だから、本当は違うかもしれない。
 誰かさんみたいにすぐに忘れちゃってるかもしれないしね」



そこまで、考えていればあの場所で素直に喜べないのは当然ね。
それでもお酒は進む。
公二くんも結構アルコールに慣れてきてない?


「そういうわけで、僕の役目はこれで一段落。
 明日からはいよいよBucchiiさんの出番だ。
 たぶん、練習は厳しくなると思うよ。
 だから、みんなのサポートお願いね」


もちろんよ、と私も舞佳もお返事。
公二くんは安心したように、お酒を飲み出した。

いつの間にかカラオケも登場して、さらに大騒ぎ。
みんなも今日だけは大騒ぎして、明日からの活力にしたいのかしらね。




さて、私たちも楽しく……と、その前に……
舞佳も私も気になってたことを聞く。

「公二くん。言われたように記者には言っておいたけど」
「ああ、ありがとう」
「ところで、あんなことやっていいのかしらん?」

「本当は今日負けた場合だけにしようと思ったんだ。
 こっちは2連敗だけは絶対さけたかったからね。
 いくら初戦で勝っても直接対決で負ければ意味ないから。
 でも、Bucchiiさんの話を聞いて、最後も勝たないとと思ったから。

 それに彼女は次の試合だけの一発勝負だから、あれぐらい踏ん切りつけてやってもらわないと。
 ある意味、彼女のためでもあるんだ。
 彼女もとまどってたけど、丁寧に説得したら納得してもらったよ」

「ところで効果あるの?」
「さぁ?光か望が普通の心理状態なら、それで見破られておしまいだけどね。
 それでも、勢いを少しでも止める効果はあるんじゃない?」

さて、うまくいくのかしら……
記者が飛びつけばいいんだけど……
【麻生 華澄】
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