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これはTMFA主催のTMリーグに加盟している、架空の女子サッカークラブチーム「響野エンジェルス」のメンバーが書いたブログ……という設定のブログです。
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主人です。

今日からマスコミを(できるだけ)シャットダウンしての戦術練習。

だから、内容はあまり言えないんです。
なんか、今朝の記事にびっくりしたのか、マスコミがちらほら見えていますが、入れさせてあげません。



だって、あれ、真っ赤な嘘だから。









試合後のあの行為は全部演技。
華澄さんも舞佳さんも承知での受け答え。
二人とも嘘は言ってないしね(笑)


目的は心理的動揺をA代表に与えるため。
B代表には昨日の晩、嘘記事が載るってちゃぁ~んと説明しておいた。
こっちに動揺与えちゃ意味ないからね。


少なくとも向こうの主軸のWBLやRMSの子にショックは少しだけ与えられるかなって。

かなり卑怯な手だと思うけど、こっちも3戦目はどうしても落とせない。
向こうが修正して勝ったら、「やっぱりA代表はすごい」ってことになって、
代表選定で不利になる。

結局、こっちは勝ち続けるしかないんだ。




まあ、それに井上さんのこともあるんだよね。

彼女はこの2戦で先発がない。途中出場も2戦目の残り6分。
実質でていないのは彼女だけ。
だから、最後の3戦目の一発勝負になる。

彼女にとっては友達が向こうにたくさんいるし、なによりお気に入りの北見さんは向こうにいる。
彼女優しいからね、向こうのことを考えて、手を抜くことがあっては困るんだよ。

だから心を鬼にして全力で向かってもらわないと。



そういうわけで、試合前日の夜。華澄さんに頼んで井上さんを呼んでもらった。
ちなみに、その前に華澄さんと舞佳さんには計画を全部話して協力を快諾してもらってる。




井上さんがゆっくりと入ってきた。
僕は扉に近づいて、部屋に入るように言う。
彼女を入れると、僕は鍵をがちゃりとかける。
(自然な動きで鍵をかけるのがいいとは、華澄さんのアドバイス)

相当おびえてるみたいで、井上さんは立ったままおびえてる。

そこで、僕はさっそく実行に移す。

彼女の後ろに回り、腕をつかんでゆっくりと後ろに倒す、
彼女が倒れるところで素早く前に回り、ベッドに水平になるように体を動かす。
そして彼女が倒れるのと一緒に倒れ、彼女の上に乗る。
そして、井上さんの両腕を両手でつかんで、彼女を見下ろす。
※舞佳さんから聞いた「自然な押し倒し方」だって。井上さんを呼ぶ前に何度もお姉様で練習したんだよ。




びっくりして僕を見る井上さん。
僕は本当に真剣なまなざしで……一言言った。

「俺の女になれ」

じっと見つめる僕。
※「真剣な目で見つめられれば、落とせる子もいるわよ」とは華澄さん……経験ありますね?

そして目をつぶりおびえるように頷く井上さん。

やばっ!本気になりかけてる!
そこまでするつもりはないので、あわてて彼女から降りる。
えっ?って驚く井上さん。

「冗談だよ!……光やの……がいるのにそんなことするわけないだろ?」
(望とは言えませんでした……まだ知られてないから)



あとで彼女から聞いたんだけど、華澄さん、
「パジャマを着て行くこと。
 それと事前にシャワーは浴びておいてね。
 今晩は寝かさないみたいだから。
 あっ、拒否はできないわよ」

って言ってたみたい。
だから、半分本気で俺が抱くと思っていたみたい。

……冗談も程度を押さえてよ(あとで彼女に必死に謝ったよ)



「怖かったんだから!」とわんわん泣き出す井上さん。
何度も何度も謝ってようやく泣きやんだところで話を本題に移す。
(やっぱり程度の悪い冗談はやるべきじゃなかったかな?)


「俺の女になれ……というのは冗談だけど、これから言うのは命令だから。

 A代表に友達とか北見さんとかいるだろ?

 次の試合まで……縁を切れ

 あいつらは、井上さんとは赤の他人だ」


呆然とする井上さん。
どうして?って言いたそうな顔。
もちろん僕は説明する。

「井上さんは3戦目しか先発がない。
 これは編成上どうしようもなかったんだ。
 これは僕が謝る。
 でも、アントニオさんはそんなことは関係ない。
 試合での結果を見るだけだ。
 だから、次の試合で井上さんは全部を出し切らないといけない」

少しずつ真剣な表情になっている。
僕も真剣に話してるからね。

「明日の試合はどうなるかわからないけど、
 最後の試合は必勝体制でいくはずだ。

 もちろん代表選定でも大事な試合だ。
 A代表には八重さんとか佐野倉さんとか友達がたくさんいるだろ?
 一緒に代表に選ばれたいだろ?」

井上さんは大きく頷いた。

「自分も選ばれたいけど、相手の友達も選ばれてほしいと思ってるでしょ?」

またもや大きく頷いた。

「でも、そんな甘いことでは代表に選ばれないよ。
 友達を蹴落として自分が入るぐらいのつもりでやらないと。
 現状だと、A代表と同じ実力を出しても、選ばれるのは絶対A代表。
 A代表と同じ結果ではだめなんだ。
 それ以上の結果をださなきゃ、選ばれない。

 A代表はやはりトップレベルの選手たちだから、
 相手のことは関係なく、プレーすると思う。

 だから、井上さんはそんな気持ちでプレーしては絶対に足下をすくわれる。
 RMSとの試合では友達とか関係ないでしょ?」

「そうですね……」

初めて彼女が返事をした。
話を続ける。

「本当は清水さんと森下さんみたいなライバル関係ならいいけど、
 井上さんとA代表の彼女たちは半分ライバルかもしれないけど、やっぱり友達だろ?

 だから、今更ライバルって見られないでしょ?
 見ようと思っても、どうしても友達と言う事実が頭をよぎる……
 RMSとの試合でもそうだったんじゃない?」

「なかった言えば……嘘になるかもしれない……」

「まあ、それはみんなに言えるんだよ。
 とくに欧州遠征の後は、敵にかつての仲間がいるんだから。
 『怪我をさせたらどうしよう』とか無意識で思っちゃうんだよ。

 だから、2ndステージって1stステージよりも怪我が少ないんだよ。
 下手に相手を知っちゃったから、無意識で気をつかっちゅう」

「そうなんでしょうね……」

「でも、次は代表に選ばれるためのラストチャンス。
 そんな気遣いは必要ない。

 あくまで、自分のためにプレーしてほしい。
 向こうに気を遣ったら、絶対に負けるよ。

 それに井上さんには……」


おっと、ここは企業秘密だから言えないよ。
決して口説いていないから。
ただ、井上さんがびっくりしていたのは確か。


「……大事な役目をやってもらうよ。

 だから、相手とは絶交するぐらいのつもりで、やってほしい。
 代表の試合はそこまで心を鬼にしなくてはいけない世界なんだ。

 僕もU-15代表候補の選抜合宿で見てきたからね。
 確かに仲間なんだけど、肝心な場所では心は鬼になってた。
 僕が代表に残れなかったのは、心を鬼にできなかったのもあると思う。

 実際に絶交することではないよ。
 そもそも、試合まで彼女たちに会うことはないからね、あははは。

 ただ、試合終了まで、向こうと絶交したつもりでやってほしい。
 その後は仲直りすればいいだけの話だから」

「………」

「そこまでしないと代表に残れないよ?」

「……わかりました……心を鬼にします……」

「頼むよ……すまないね、つらいことさせちゃって」

「いいんです。
 私もB代表だって聞いて、花桜梨達にジェラシーを感じていたんです。
 B代表で悔しいんです!A代表のみんなを見返してやりたいんです!
 だから……いいんです」


井上さんは真剣な表情で答えてくれた。
これなら大丈夫そうだ。




「それで申し訳ないんだけど……明日ちょっと頼まれてくれないかな?」

「えっ?なんですか?」

「A代表にちょっとした脅し……子供だましだけど……」


そして試合後のあの行動を頼んだ。


「そんなことでいいんですか?」

「ああ、あとは華澄さんと舞佳さんが思わせぶりなことを言ってくれるから、
 マスコミが勘違いして書いてくれればそれで十分」

「その後、私はどうすれば?」

「何もしなくていい。
 ただ、練習に集中してほしい。
 マスコミはまったく無視していいよ。
 そういう場でも練習に集中するのはちょっとした訓練だよ、あははは。

 あと、明日から練習以外では僕に近づかないでね」

「どうしてですか?」

「本当だと思われたら嫌だろ?」

「はい、嫌です!」


おいおい、そこまで正直に言ってくれなくても(汗
まあ、でも彼女も承諾してくれました。

あとは、1時間半彼女が部屋にいた「事実」を作るために、井上さんとお話。
WBLのチームの様子とか、北見さんの人となりを聞いてみました。

友達や北見さんについて話すときの彼女はとてもいい顔をしています。
本当に彼女は友達想いのいい子ですね。

「あははは、絶交するって言っておきながらこれではいけませんね」

って最後は笑ってた。



さて、今日の井上さんは本当に集中していた。
周りのみんなはびっくりしてた。
でも、それに引っ張られるようにチーム全体が集中してた。



記事もガゼッタだけの割りには反応が大きいみたいだし、
ひとまずはいい方向かな?



でも、どれだけ効果があるのやら……

光や望が俺が不倫なんてしないって、わかってると思うんだけどねぇ……
そんなにHしたけりゃ、一人で処理するか、お姉様たちに頼むよ(苦笑)

それに井上さんだって、そんなことする人でもないことぐらい、向こうもわかりそうなもんだけど、特に北見さんなんかは。
さて、どのぐらい効果があるのやら……
【主人 公二】
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