2006/06/07 (Wed) 【渡井】 夫婦喧嘩？

どうも～渡井で～す♪
今日は軽くコンディション調整のためのフィジカル練習と、
次の試合に向けての戦術の確認だけで終わった。

練習後、シャワーを浴びて更衣室で着替えてるところに、
先に着替え終わった琴子さんが戻ってきた。

「今、監督室に行けば夫婦喧嘩が見られるわよ」だって。

さっそく、私や詩織ちゃん、それにちとせちゃんが急いで監督室に直行！

ちょうど扉が少し開いてた（琴子がこっそりと開けたみたいだけどね）
から覗いたら凄かった！

だって、いつもはラブラブな２人が怒鳴りあいの喧嘩してるんだもん！









「ちょっと、あなた！なんで私に黙って応募しちゃったのよ！」
「ごめん！急がないと予約されちゃうと思って…」
「それならそれで後で私に教えてくれてもよかったじゃない！」
「俺だって、まさか採用されるとは思ってもいなかったからさ、
　だって、下位チームの監督だよ？普通採用されると思うか？
　それでも用具担当でもいいからって、オーナーにお願いしたんだから」

そういえば、監督さん。欧州遠征のサポートリーダーになったんだってね。
みんな「すごい！すごい！」って言ってたけど、光ちゃんだけおかんむり。
な～るほどぉ～、こういう事だったのね。

あれ？今度は監督が怒ってる。

「それはそうと、そう言う光こそなんだよ」
「えっ？」
「俺にだまって、勝手に遠征メンバーに応募するなよ！それもスタッフとして」
「だって！」
「だってもこうもない！
　アントニオ監督は怒ってるぞ！
　それもわざわざ手紙まで書いてよこして！

　『陽ノ下選手は現段階で代表候補であり、
　　私も前試合を見て非常に高いポテンシャルを持った選手と認識しました。
　　そのような選手がスタッフに応募するということは、
　　私の言う『スピリット』の無い選手と見られても仕方の無いことです。
　　陽ノ下選手には是非選手としてリーグ戦を
　　その高いポテンシャルで戦い抜き、
　　是非代表選手として招集されるように努力して欲しい次第です』
　
　せっかく選手としていい評価をもらってるのになんだ！
　文章はやさしいけど、本当はかなり怒ってるって話だぞ！」

光ちゃん。そんなことやってたんだ…
でも、監督さん猛烈に怒ってる。あんな顔初めてみちゃったよぉ。

手紙を光ちゃんに投げつけてちゃった。
あれ？光ちゃん泣いてる。

「ぐすん……ぐすん……だって、だってぇ～
　私だって行きたいんだもん！あなたが行くなら余計に行きたい！
　選手で推薦されればいいけど、
　スタッフだったら２４時間ずっと、
　リーダーのあなたと一緒に仕事ができるし一緒にいられる……
　だから、スタッフで応募したんだよぉ！

　……ぐすん……

　私の気持ちもすこしはわかってよ！
　うわ～～～～～ん！」

あ～あ、大泣きしちゃった。

あっ！光ちゃんを監督が抱きしめてる。


「ごめん……無神経だったかな？
　でも、スタッフよりも選手のほうが比べ物にならないぐらいの経験だぞ？
　俺と一緒の仕事なんてこれからいくらでもできるだろ？
　プロでもヨーロッパのピッチで試合できるなんて夢のようなことなんだ。
　だから、がんばって活躍して代表に選ばれるようにしな？
　わかった？」


「うん……ぐすん……ごめん……ありがとう……」


光ちゃん、泣きやんじゃった。
さすが監督さんだねぇ～、詩織ちゃんもちとせちゃんも感心してた。
「監督はん、女泣かせやねぇ～」ちとせちゃん、確かにそうとも言えるね。
「監督さん、調教が上手いのね」詩織ちゃん、それは違う……


「だめでもヨーロッパなら行くチャンスは何度でもあるよ。
　だったら、新婚旅行はヨーロッパにするか？」

「……馬鹿……」


あ～あ、なんかいつものラブラブ状態に戻っちゃった。
もう見てられないので、私たちはそれをみて更衣室に戻りました。

待っていた琴子さん曰く「痴話喧嘩だったでしょ？」と一言。
もう大きく首を頷く以外なかった。
なんか、最後にどっと疲れて、またシャワーを浴びたくなる気分でした。

バイトの時間もあるので、これで失礼します。
それじゃあ、おつかれ～！
【渡井　かずみ】