2006/12/02 (Sat) 【九段下】 【代表合宿Ｂ２ ２】厳しいわねぇ

舞佳さんよん。

いやぁ、ダーリンもいいけど、若い男も……
えっ？聞いてない？
じゃあ、しょうがないわねぇ……

合宿が始まったのよん。









ＲＭＳ、ＷＢＬ，ＦＣＨのメンバーは来てないから、
人数は少ないけど、濃い人ばかりが集まってるから、
夜はとにかく大騒ぎ。

そこで、話題になってるのがＡ代表。

ただでさえ、大騒ぎなのに、あっちの北見さんが記者に色々言ったみたいなのよねぇ。
それが結構大騒ぎみたい。

たぶん、黒詩織さんと白詩織さんで、いざこざいざこざばっかりなのは目に見えてる。
そして、それに火をつけちゃった感じ。



主人くんも、携帯で情報入手して、ロビーで１人、色々考えているみたい。
周りでは女の子がきゃあきゃあＴＶ見たりして騒いでる。

そこで、だれだっけ？……野咲さんかな？
「コーチは今回のどう考えてるんですか？」って聞いたの。

みんなの視線が一斉に主人くんに集中。



ふぅって、主人君はため息をついて、話し始めた。
「藤崎さんについては、なんとも言えないな。
　そんなのみんなで解決しろって言いたい。

　そもそも、この問題。誰かが間に入ってれば問題ないんだよ。
　だから、ＳＣＭのＡ代表はなにやってるんだろうって、ずっと思って
　……えっ？そっちにそんな役出来る人がいない？
　森下さんは？……えっ？面識ほとんどない？　
　そうか、それは藤崎さんも不幸だったよな。

　アントニオ監督から何言われてるか知らないけど、
　藤崎さんが気合いだとか高レベルのプレーとかばかり言っていて、
　肝心の「選手を信用する」ってことをしてないから、
　こんなことになったんだよ。

　「仲良し」とかじゃなくて「信用」
　たぶん、周りは藤崎さんからのボールに信用が見えてないじゃないかな？
　信用が見えるかって？
　見えないけど、信用されてるって感じることはできるよ。
　みんなも経験はあるとおもうけど……

　まあ、これは時間を掛ければ解決するよ。

　問題のはＲＭＳの連中だよ」


えっ？っていう顔でみんなしてた。


「厳しいこと言うけど、あの行動は代表失格。
　僕がアントニオ監督だったら、即刻追放して、二度と招集しない」


ええっ！って顔にみんな変わってた。


「話で聞いたところだと、確かに問題はあるし、
　代表を私物化するな、という彼女たちの言い分もわかる。

　でも、その後の行動が最低だ。
　お気に入りの北見さんだけに言って、北見さんの言うこと以外聞かない、
　ってスタンスをあからさまにしてしまった。

　やるべき行動は薫さんに直接言うこと。
　そうでなければ、黙って練習に励むこと。

　納得がいかないことは、あって当たり前。
　嫌いな人がいるのがいて当然、いないほうがおかしい。
　練習だって我慢行かないことも当然ある。
　
　みんなもそうだろ？
　そもそもＢ代表なんて作られて、設備に劣ったこんな場所に送られて、
　不満だろ？

　しかし、ここは代表なんだ。
　多少の事は我慢して、ただひたすらに代表と自分のためにプレーするんだ。
　我慢ができなければ帰れ。もう来るな。
　そういう場所なんだ、代表って」


あらあら。みんな引いちゃってるわよ。
でも主人くんは話を続ける。


「北見さんも問題だよ。
　いくらお気に入りの子だと言っても、
　彼女たちにもちゃんと言っておかないといけないのに……

　彼女たちは悪くない、っていうことを言ったら、
　他の選手に示しがつくのかなぁ？

　ただでさえ、北見さんはＷＢＬとＲＭＳの子ばかり贔屓にしてる、
　って、裏で言われてるの、知ってるのかなぁ？

　そういうわけで、僕が問題なのはこっちだと思うけど……

　あれ？」


今頃気がついたみたい。
みんな暗くなっちゃったわよ。
どうするの？


あれ？主人くん、財布を取り出した。
あら、お札だわ。

清水さんにそれ渡して……えっ？


「暗くしちゃってごめん。
　これで、お酒かなにか買って、リラックスして？」


あ～あ、みんなまた盛り上がっちゃった。現金ねぇ（笑）

【九段下　舞佳】